こんにちは。Leo art Laboです。今は愛媛県でいろいろな技法や素材を使ってアート制作をしていますが、
元々は「チョークアートを描く人」としてお仕事が始まりました。
チョークアートはオーストラリア発祥のアート技法。
専用画材とじぶんの指が生み出すグラデーションの美しさが特徴で、手作業だからこそ感じるぬくもりは見る人の心にほっとする一時や思わずじっと見たくなる、楽しい時間を与えてくれます。
今も大好きなチョークアートを、どうして私は描くようになったのか?人生でこんなにアートと濃密な時間を過ごすようになったきっかけは何なのか。私の原点でもあるその部分を、その時の想いの文章のまま過去のブログサイトからここにお引越しさせることにしました。
ぜひ、今日は一緒に原点に戻ってみていただけると嬉しいです。
2021年4月11日のブログより転載
元々高知県で保育士をしていた私は7年前に愛媛県へ引っ越す出来事がありました。
引越をきっかけに保育の世界を離れた私は、何か別の仕事がしてみたいな~と思い、食べることが大好きなことから、興味のあった飲食店で働いてみることに。
そのお店はもうすぐ創業100年を迎えるお店。
地元で知らない人はいないぐらい人気で「目配り気配り心配り」を大切にした、丁寧であたたかいサービスを提供するお店でした。
そして、店内にはどの席からでも見られるように割と大きめの黒板が4、5枚かけられていました。
今につながるきっかけとなった日は、働き始めて間もないある日のこと。
頼れる姐さん気質のホールリーダーから
「保育士さんだから絵が描けるでしょ♪」
とメニュー黒板の担当をお願いされました。
・・・保育士あるあるなイメージかもしれませんが、保育士はみんながみんな絵を描けるわけではありません(笑)ただ、私はたまたま描くことが好きな方だったので任されてみることに。
(その代わりにと言っちゃなんですが(?)私はピアノが全然弾けません笑)
絵をちゃんと描くのっていつ以来だろ?
保育園の頃は、自由画帳の新しいものをもらいたいが為に、適当に全ページに絵を描いて、先生に「終わった!新しいのちょうだい!」と、ひたすら替えてもらってました。
ほんと適当に白いページをなくして(笑)
小学校は、よくある授業でかいたものを学校がどっかに出して、その他大勢と共に賞をもらうとかぐらいで
中学校は漫画にはまって
高校ではプリクラ帳の飾りやテーマに沿った落書き程度になって・・・
なので
ちゃんとした(?)絵は描き続けてない上に
「誰かに見てもらうための絵」を描くのって生まれて初めてだ。と気づきました。
自分が描いていいんだろうか。
私なんかで大丈夫なんだろうか。
そんな思いを持ちながら描いた黒板でした
記念すべき1枚目はこれ↓

わー、情報がたくさん(笑)
にぎやかだなあ😂
その時の自分はすごく考えて描いたけど(笑)
この時はまだ「チョークアート」の「チョ」の字も知りません
ですが、お店に絵を描くスタッフがいなかったことから、ホールリーダーと店長はすごく喜んでくれました。
ほっとして、それ以降もおすすめメニューが出るたびに黒板を描き替える私。
そんな日々を過ごし、働き始めて3ヶ月ほど経ったころ。
プライベートの部分で、人生でとても辛い体験をしました。
その時期はとても辛くてしんどくて、寝ても覚めても頭の中はそればっかりで、精神的にきつい時期でした。
お仕事中も、頭から離れなかったけれど、不思議なことに、
定期的にあるメニュー黒板を描き替える時間、その間だけは
辛くて辛くてどうしようもない気持ちを忘れていたのです。
一点集中とはまさにこのこと!
そして辛い時期が何ヶ月も続く中、お仕事である変化が。
お客様から
「あの黒板を描いているのは誰なの?」
「この黒板を描いている人に会いたい」との声があがるようになりました。
そして直接
「あなたの黒板を楽しみにお店にきています」と言われた時
自分の描いた黒板が、誰かに喜んでもらえているということにとても感動したのを覚えています。
黒板を通して、たくさんの人が「私」という存在に気付いてくださったこと
自分なんて・・・と思っていたけれど、
自分だからできること、に焦点を当てられるようになったこと。
そのときの自分は
「私ってだめだわー」「私って何もできん人間やなあ」って自己否定の塊だったので
このことをきっかけに、自分に少し自信を持てたのです。

素敵な経験をさせてくださった職場、
いつもあたたかく接してくれたチームのみんな
たくさん描き替えた黒板たち
このお店で働けた数年間は
じぶんの得意を気付かせてもらえたことはもちろん、
接客を含め仕事の楽しさ、やりがいを体感させてもらいました。
私にとっては貴重な財産です。
(退職後もよくご飯を食べにいっては、姐さんやスタッフたちと喋りまくる、新しい楽しみを見つけました
)
・・・次章「であってから編」に続きます笑